私が運営しているウェブサイトやブログへのアクセス解析をしていると、「司法書士の無料相談はどこまでできるか」とか、「司法書士の無料相談の範囲」というような検索ワードによる訪問が多いようです。

1.司法書士による無料相談の対象

2.何でも無料で相談に乗る司法書士はいるのか

3.有料相談なら相続登記の方法を教えてもらえるか

4.どうしても自分で登記申請がしたい場合の相談先

1.司法書士による無料相談の対象

最初に確認しておくと、多くの司法書士事務所がおこなっている無料相談というのは、「費用の見積もり、必要書類の説明、手続きの進め方についての説明」を初回無料でおこなっているというものです。

つまり、司法書士が無料相談の対象としているのは次のようなケースです。

  • 司法書士に依頼しようと思っているが、どこの司法書士事務所を選ぶかはまだ決まっていない。
  • 司法書士に依頼するかどうかは、費用の見積もりをしてもらってから決めたい。

あくまでも、司法書士に依頼する可能性がある方を対象としているのであり、自分で登記申請などの手続きをするので司法書士に依頼するつもりはないという方は無料相談の対象外であるとお考えください。

したがって、「自分で相続登記の申請をするつもりなので手続きの仕方だけを教えて欲しい」とか、自分で作成した相続登記の申請書や必要書類のチェックをして欲しい」というのは司法書士による無料相談の対象外です。

2.何でも無料で相談に乗る司法書士はいるのか

一部の司法書士事務所では、若手司法書士が自分自身の経験を積むことを目的にして、無料相談を受け付けているようなケースもあるかもしれません。

また、ホームページに「何でも無料で相談に乗ります」というな記載のある司法書士事務所は、そもそもホームページからの問合せなど皆無であるということもあるでしょう。

ただし、何でも無料相談に応じるというようなところでも、自分で相続登記をしようとする方を対象にして、登記申請書や必要書類のチェックをしてくれることは通常考えられません。

不動産登記は司法書士にとって最も重要な業務です。司法書士が登記申請書等のチェックをするとなれば、確実に登記が完了するレベルまでおこなう必要があります。

登記申請書を確認して、「だいたい合ってると思いますよ」では済むはずがなく、無料相談であっても司法書士としての職責が問題になる可能性もあります。

そのような司法書士としての知識や経験を無料で提供できるはずがないのは当然のことです。

3.有料相談なら相続登記の方法を教えてもらえるか

無料相談で相続登記の申請書や必要書類のチェックをしてもらうのは無理だとして、1回5,500円などの有料であれば不動産登記の相談に乗ってくれる司法書士はあるのでしょうか。

結論としては、有料相談であっても、自分で登記申請をしようとする方のご相談は受け付けている司法書士は通常存在しないとお考えください。

司法書士が相続登記のやり方を説明した後に、相続人の方がご自分で作成してきた登記申請書や遺産分割協議書をチェックして、ここをこのように修正すれば登記ができますとお伝えすることも技術的には可能でしょう。

しかし、司法書士がお支払いいただく報酬は、書類作成の手間賃ではありません。正しい書類を作成するための、不動産登記に関する法律や先例などについての知識や経験に対する対価です。

書類や必要書類のチェックをするということは、実質的には、司法書士が書類作成をしているのと変わりがありません。むしろ、他人が作成した書類をチェックする方が手間がかかるともいえます。

そうであれば、司法書士に頼むよりも費用が高くなっても良いならば、ご自分で相続登記をする方の有料相談を受け付けることも可能かもしれません。

高額な費用をかけてそんな面倒なことをするくらいなら、司法書士に依頼して全部やってもらった方が良いと考える方がほとんどでしょうが。

4.どうしても自分で登記申請がしたい場合の相談先

相続登記などの登記申請を自分でおこないたい場合、法務局による不動産登記の申請書様式についてのページや、登記申請手続のご案内などを見れば、相続登記をするのに必要な知識を得ることができます。

上記のページなどに書かれていることを熟読して、自分で登記申請書などの作成が可能であると考えるならば、ご自分で相続登記をすることも可能かもしれません。

また、自分で登記申請書や遺産分割協議書などの作成をした上で、法務局の登記手続案内などを利用する方法もあります(千葉地方法務局による登記手続案内のページはこちら)。

ただし、法務局でおこなっているのは、あくまでも登記手続案内ですから、登記申請をする前に登記申請書のチェックなどをしてくれるわけではありません。

結局、法務局のホームページを見るなどして自分で準備ができるのでなければ、法務局へ相談へ行けば何とかなるというものではないのです。

なお、法務局で実施している登記手続き案内の他、市役所で実施されている登記相談などもありますが、登記相談を担当しているのは司法書士なので、登記申請書のチェックをしてもらうことはできないはずです。

最後になりますが、松戸市で相続登記の相談なら、千葉県松戸市の高島司法書士事務所(松戸駅東口徒歩1分)までお問い合わせください。